変更点調査報告・特別編

あるオダカズの謎

 

姫ちゃんのリボン変更点調査報告書にもどる


◆Who is 織田和也◆

織田和也。その名前に聞き覚えがないという人も少なくはないでしょう。

それもそのはずで、彼は、姫ちゃんのリボンの単行本の8巻にある水沢めぐみ先生のコメントにある「キャラクターを一人削った」という記述の、まさにその、削られてしまったキャラクターなのです。

削られてしまうぐらいだから、たいしたことない存在だと思いきや、実は、りぼん掲載版の姫ちゃんのリボンでは、廃屋の謎を探ろうとし、ついには、魔法の国に行ってしまうという、ストーリーの中核をなす重要な役割を担っているキャラクターだったりします。そんなキャラクターを削ってしまったのですから、単行本とりぼん掲載版ではお話はまったくと言いほど違うくなっています。

ここでは、彼が関わるエピソードであり、りぼん版と単行本版でまったく違う話になったと言っても過言ではない、単行本8巻の廃屋に関わるストーリーについて、そのエピソードのりぼん掲載時のあらすじについて紹介します。

★織田和也について★

名前:織田 和也。読み方は「おだ かずや」。姫ちゃんは時々、「オダカズ」と呼んでいた。

外見:物静かな雰囲気で眼鏡をかけている。メガネがないとロクに物が見えないらしい。支倉先輩に雰囲気が似ている、と記述されている。

性格:わりと常識的な性格。ただし、熱心な野々原花子ファンで、野々原花子のこととなると目の色が変わる。

備考:隣町の立原中の生徒。

主にやったこと:

  1. 「ある廃屋の謎」の本に記述された廃屋の描写に感激して、モデルとなった廃屋(=姫ちゃんたちの隠れ家)に忍び込む。

  2. 姫ちゃんが変身した野々原花子に廃屋の謎を解くことを約束させる。

  3. 学校での撮影におしかけ、姫ちゃんが変身した自分自身を目撃する。

  4. 姫ちゃんと大地が廃屋の開かずの間を開け飛びこんだ後を追い、魔法の国へ行く。

★オマケ:田島くんについて★

名前:田島くん。名前は不明。織田和也と同じ立原中の生徒。

外見:とにかく四角い。牛乳瓶底のようなメガネをかけている。

性格:織田和也ほどではないものの、やはり、熱心な野々原花子のファンらしい。いつも力がこもってるのか、だいたい、フキダシはギザギザ、セリフの最後は「!」になっている。

主にやったこと:

  1. 学校にやってきた姫ちゃんが変身した野々原花子を織田和也の元へ案内した。
  2. 織田和也に風立第一中学校で撮影があることを知らせた。

◎1993年5〜8月号のあらすじ◎

 

りぼん1993年5月号

或る廃屋の謎の撮影現場を見に来た姫ちゃん、愛美、いっちゃん。
そこへ、自転車に乗った大地がやってくる。
大地はどっかに旅行に行く途中に通りかかっただけの模様。
見知らぬ少年が姫ちゃんに声をかけてきた。
彼は姫ちゃんに織田和也と名乗り、
自分が花子先生(姫ちゃんのお母さん)のファンであり、
「或る廃屋の謎」に出ている廃屋に魅かれていると言い、去っていく。
愛美が織田和也を支倉先輩に似ていると言い、
その言葉に姫ちゃんは織田和也が支倉先輩に似た感じがすることに気付く。
ちょっとおもしろくない大地は、撮影現場を後にする。

場面は変わって学校。
聖さんが隣町の学校に転校する餞別にとセーターを姫ちゃんにくれる。
(このエピソードは単行本でのものと同じ)

上機嫌で姫ちゃんが家に帰ると、ポコ太から廃屋が取り壊されることになり、
今日、市役所の人が下見に行くことを知らされる。
姫ちゃんは廃屋へ向かい、ポコ太を巨大化させて市役所の人を追っ払う。
(ここまでは単行本のものとほぼ同じ)
市役所の人は去ったものの、また誰かがやってきた模様。
見つかったら大変だと帰る姫ちゃんとポコ太。
その途中、姫ちゃんたちは大地と出会う。
廃屋が取り壊されることを聞き、ビックリの大地。
姫ちゃんに旅行に行く理由を問われ、最初は隠そうとするも、
結局は折れて、廃屋で話すことを約束する。
廃屋へ戻った姫ちゃんと大地。だが、廃屋の中は誰かにあらされていた。
大地は荒らされた部屋の中で「K.O」のイニシャルの入った本を見つける。
「K.O」のスペルが「織田和也」だと推理する大地。
その時、誰かが廃屋のドアをノックしてきた。

1993年6月号

結局、ドアをノックをしたのは有坂静であった。
今度こそエリカの婚約者にふさわしい男になるべく、
お目付け役となったピンクと共に戻ってきたとのこと。
(この辺は単行本とほぼ同じ)
有坂静が去って。
大地に本のことを知らされた姫ちゃんは大激怒。
「K.O」でこの本って織田和也以外に考えられないと、
立原中(織田和也の学校)へ行こうとする。
しかし、大地は、ここを使っているのがバレるぞと止める。
とりあえず、本は大地が預かり、このことはまた後で話し合うことに。

姫ちゃんの家のお風呂。
お風呂につかりながら話しているうちに、
織田和也がどうやって家に入ったかという話になり、
はっとなった姫ちゃんとポコ太は廃屋へ向かうも、
植木鉢の下に隠しておいた合い鍵がなくなっていた。

すっかり頭に来た姫ちゃん。
変身してカギを取り返しに行くことを決意。
ポコ太が止めるも、次の朝、ポコ太が目覚めた時には
姫ちゃんの姿はなかった。

制服姿で道を走っていた姫ちゃんは途中で有坂静とピンクに出会う。
ピンクから前に未来に行った時の未来はあの時の未来で、
必ずその通りになるわけではないことを聞き、
やっぱり油断はできないと途中で変身して立原中へ向かう。
(この辺は単行本と同じ。ただし、単行本での目的地は市役所)

そして、立原中。
校門でオダカズを待つも、なかなか現れない。
そこへ現れたのはビン底眼鏡に四角い顔、ボサボサ頭の
オダカズと同じクラスの田島くん。
花子(姫ちゃんが変身)に出あえて大喜びの彼は、
花子(姫ちゃん)を織田和也の元へ案内する。
織田和也は木の根元に座って本を読んでいた。
その姿に支倉先輩のことを思い出してしまう姫ちゃん。
花子(姫ちゃん)は織田和也に、
廃屋は取材のために特別に見せてもらっていること、
昨日、廃屋に行ったら部屋が散らかってて
イニシャルの入った本が落ちてたことを告げる。
そして、カギを持って行ったのもあなたでしょという花子(姫ちゃん)に
織田和也は第5章での家の内部描写がリアルで興味がわいて入ってしまい、
後で片付けるつもりだったが人が来たのでそのままにしてしまったと言い、
空き屋に入るのは良くなかったと素直に謝る。
この時、織田和也はメガネをかけってなかったので、
姫ちゃんは前より支倉先輩にダブって見えると思ってしまう。
織田和也に「本は?」と問われて、うっかり忘れてたと取り繕う花子(姫ちゃん)。
その時、学校のチャイムが鳴る。
1時間目がテストなので早く行かなきゃと慌てる花子(姫ちゃん)。
慌てて帰ろうとする花子(姫ちゃん)に織田和也はカギを渡す。
そして、織田和也は廃屋の謎を探る協力をして欲しいと連絡先を渡す。

そして、学校。
再び有坂が戻って来たと告げる五利先生だが、生徒の反応は冷ややか。
(このシーンは単行本にもある)

五利先生にこってりしぼられて職員室を出て来た姫ちゃんを呼びとめる大地。
姫ちゃんが立原中に行き、織田和也に協力すると聞いてカンカン。
姫ちゃんは織田和也をそんなに悪い人じゃなさそうだと反論。
しかし、大地は姫ちゃんの人を見る目はアテに出来ないと冷たい。
姫ちゃんはカギを早く取り返さないと大変なことになると反論。
大地はカギを取りかえればすむことだと言い返る。
口には出さなかったものの、あのカギは姫ちゃんが大地にもらった
思い出のある大事なカギなのだ。
無言で去っていく大地の後ろ姿に、織田和也が支倉先輩に似てるから
ヤキモチやいてるんだと姫ちゃん。
誰が、んなわけねーだろ、バーカと振り向きもしなで言い返す大地。
カッとなった姫ちゃんは大地の背中に思いっきり飛び蹴り。
その現場に居合わせた日比野さん、姫ちゃんに大抗議。
しかし、大地はそんな日比野さんに「うるせーな日比野!!」と一言。

場面は変わって、八百屋さん(?)。
大根とタマネギを買った姫ちゃん。
やめといた方が良かったというポコ太に、
カギを返してもらったからもう関わるつもりは無いし、
本も郵便受けにでも入れておく、と姫ちゃん。
そして、大地が、自分には何でも相談しろと言うくせに、
自分には隠し事ばっかで何も話してくれないとグチるのだが、
その途中で旅行の理由がうやむやになってたことに気付く。
その時、森ちゃん(大地の弟)と森ちゃんのおばあちゃんに出会う。

森ちゃんから大地が旅行出かけたことを聞き、風立駅に向かう姫ちゃん。
大地を見つけた姫ちゃん、追跡を決意する。

1993年7月号

魔法のキャンディーで小さくなって大地のカバンに潜りこんだ姫ちゃん。
やがて、大地は廃屋そっくりの家にたどりつく。
大地は家人に会い、廃屋について何か知らないかと尋ねる。
姫ちゃんの方はたまたま掛け軸の裏に謎の呪文を見つけるが、
誤って大きくなるキャンディーを口にして、元の大きさに戻ってしまい、
ドタバタのうちに家を追い出される。
(このあたりは単行本と同じ)

神社でお弁当を食べながら話しあう姫ちゃんと大地。
大地は廃屋のあかずの間を自分の手であけてみたくてたまらないこと、
織田和也が何を考えてるか知らないけれど、
これ以上、廃屋に興味を持って欲しくないことを打ち明け、さらに、
なるべく織田和也にかかわらずに本を返そうと考えていたのに、
姫ちゃんが立原中に行ってしまったのでカッとなってしまったと、
姫ちゃんにひどい言い方をしてしまったことを謝る。
姫ちゃんも大地に飛び蹴りをしたことを謝る。

そして、帰路につく2人。
「或る廃屋の謎」が解けるのかな、と大地。
すっごい宝物がかくされてたりして、と姫ちゃん。
姫ちゃんは家に連絡をとり、電車に乗る。
電車の中で肩を寄せ合い眠る2人。

廃屋の扉の前で呪文を唱える2人。だが、扉は開かない。
そんなにうまく行くわけないと大笑いの2人。
そして、2人はあかずの間を開ける方法を探す決意を新たにする
(この辺は単行本と良く似ている)

1993年8月号

木の根元に座って27回目の「或る廃屋の謎」の読み返しを終えた織田和也。
そこへやってきた田島くんを前に、何度読んでも素晴らしいと感動し、
「或る廃屋の謎」に出てくる異世界は存在すると力説。
田島くんは織田和也に、来週の土曜日放課後に風立一中でロケがあると知らせる。
織田和也は、見に行きたいが、他校生だから……と弱気だが、
田島くんが花子先生と話した仲だから見学ぐらいさせてもらえるはずと勇気づける。

一方、野々原家。
お父さんから演劇部にエキストラを頼みたいと言われて大喜びの姫ちゃん。
そして、演劇部でその旨を皆に伝えていると、そこへ日比野さんが入部しにやってくる。
姫ちゃんは前に日比野さんが「あたしが入るクラブは大地くんファンクラブだけ」って
言ってなかったっけとツッコミを入れるも、日比野さんは平然と、
シンデレラが屋根裏部屋で働いていたように、未来の大スターになるには
ほこりにまみれた生活が必要なのだと言いきる。
そこへ、有坂静もやってきて、自分も演劇部員であることをアピール。
魔法の国史上初の快挙にがんばっていい映画にしようねと姫ちゃんを抱きしめ、
思いっきり腕輪を発動させてしまい痛がる。
場面は変わって、野々原家。
姫ちゃんの報告を聞いて、大笑いのポコ太。
両親の映画に出られるなんていい記念になるねとポコ太。
姫ちゃんはポコ太に一緒に出る?と誘うが、ポコ太は騒ぎになると困ると断る。

そして、撮影当日。

メイクをキメてカメラさんに注文をつける日比野さん。
そんな日比野さんを見ながらテツに、将来、大物になったりして、と大地。
テツは大地に映画に出ないのかと聞くも、大地はこれ以上、人気が出たら困ると否定。
姫ちゃんに向かって、転ばないように気をつけろよ、という大地を見て、
僕は君だけのヒーローでいい…か、と一人納得のテツ。

後輩が緊張してきたと言うので、気合いが入るおまじないをしようと、
いけいけゴーゴーッ!!じゃーんぷっ!!をする姫ちゃん。
そんな姫ちゃんの様子に、あいかわらずね、と言いながら登場してくる聖さん。
他の部員も口々に再会を喜ぶ。
そして、一中でロケができてうれしいという聖さんに、
結花と一緒に映画出られて嬉しいという姫ちゃん。

そこへ、姫ちゃんのことが心配だと様子を見に来たお母さんも現れる。

織田和也が五利先生に他校生は入ってはいけないと注意されてるのを見かけた姫ちゃん。
話が噛み合わなくなって織田和也が疑い出したら大変だから何とかしなきゃと、アセる姫ちゃん。
そこで、有坂静と、続いて、織田和也を強引に引っ張っていく姫ちゃん。
有坂に時間を10分でいいから時間を稼いで欲しいと頼んで、
有坂静に織田和也を押しつけ、姫ちゃんはその場から走り去る。
そして、織田和也に変身して花子の元へ。
バラの花を差し出し、お世辞の限りを尽くして花子をおだてる姫ちゃん。
すっかり機嫌を良くした花子は、サイン色紙をプレゼントの上、見学の許可を出す。

一方、有坂静は、魔法の国史上初なのにーと不安顔。
織田和也もイライラしている。
君って知的なタイプでなかなかいいよ、と適当に言いつくろう静。
織田和也は、そういう趣味はないと言い返す。
そして、ついに、織田和也は撮影を見学しに立ち去ってしまう。
有坂静はそれを追いかけようとして思いっきり転んでしまう。

校舎の階段を上り、撮影現場へ向かう織田和也。
そこでたまたま姫ちゃんが変身した織田和也を見てしまう。
織田和也は、もう一人の自分の行った方向へ向かうが、そこには誰もいない。

撮影シーン。
聖さんが、こことは別のもう一つの世界があって、自分はその別の世界の美幸(役名)なのだと訴える。
そこでカット。聖さんの演技を誉める姫ちゃんたち。
そこへやってきた織田和也に姫ちゃんはお母さんからとサイン色紙を渡す。
そして、今度は姫ちゃんたちの出番。意気込んで撮影に向かう姫ちゃんたち。
日比野さんは化粧を落としてと言われて不満をもらしている。
織田和也は、異世界が存在すること、そして、そこに通じる道があることを確信。
水晶玉で様子を見ていたエリカはもし秘密がバレたら今度こそ記憶が消されると不安そう。
そして、何とか秘密を守って、と祈るエリカ。

でもって廃屋。
疲れたとため息をつく姫ちゃん。
大地を呼ぶが、大地はソファの上で昼寝をしていた。
姫ちゃんはそっと上着を大地にかけてあげる。
テーブルの上にある針金とペンチを見た姫ちゃんは
大地が針金でカギを作ろうとしているのに気付き、あるアイデアを思いつく。
魔法のキャンディーで小さくなり、あかずの間の鍵穴から中に入る姫ちゃん。
しかし、謎の力ではじき出され、さらに、リボンが真っ白になってしまう。
(この辺は単行本とほとんど同じ)

これ以降のお話

これ以降のお話は単行本の9巻分とかなり同じです。
魔法の国を目撃する役目が日比野さんではなく織田和也になっていることを覗いては、
おおまかな流れは単行本のものと変わって同じなので、細かいことは調査報告書の該当ページで確認してください。


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